テコンドーは1955年4月11日に故・チェ・ホンヒ氏によって、氏が戦時中に日本で学んだ空手や、朝鮮古武道のテッキョンも参考にしつつ、現代科学の原理をもって
人体の持ち得る最大のパワーを出せるように研究開発されて生まれた近代武道です。
理論的に体系化されているため誰にでも学びやすく、競技以外でも護身術としての一面や、 ストレッチを繰り返すことで健康増進やストレス解消、ダイエット効果などが得られる一面もあります。
テコンドーの魅力はというと技の多彩さと足技にあります。技の総数は約3200通りもあり、そのうち手技が2000、足技が1200あり、華麗かつ破壊力のある足技は『足のボクシング』
と称されるほどです。
テコンドーは漢字では『跆拳道』と書きます。
跆・・・跳ぶ、蹴るなどの足による攻撃
拳・・・突く、叩く、貫くなどの手による攻撃
道・・・礼に始まり礼に終わる人の道
テコンドーの武道的、哲学的な教えとして5つの基本精神を掲げています。
練習を通してこの5大精神を身に付けた人間を目指しています。
禮 儀(れいぎ)
目上の人を敬い、人の行う禮の道。
廉 耻(れんち)
心清らかで、恥を知る心のあること。
忍 耐(にんたい)
耐え忍ぶこと。苦しくてもじっと我慢できる強い精神。
克 己(こっき)
己に勝つこと。自分の欲望に打ち勝つ精神。
百折不屈(ひゃくせつふくつ)
幾度挫折しそうになっても決して屈しない精神。
トゥル(型)
トゥルで全部で24種類あり、これらの基本動作が全て組み込まれています。
試合では段・級ごとにクラスが分かれ試合が行われます。
トゥルの試合は1対1の個人で行うものと団体で行うものがあり、技の正確性、力強さ、バランス、リズム、呼吸、芸術的な美しさ等 (団体ではチームワーク、プレゼンテーション)を総合的に判定し、勝敗を決めます。
マッソギ(組手)
マッソギは手と足に防具(女子、有級者は面および胴を着用)を付け、ライトコンタクトによるポイント制で行われ、制限時間内に獲得したポイント数を競い合います。
マッソギでは体重別に5つの階級に分かれて試合が行われます。
トゥッキ(スペシャルテクニック)
より高く、またはより遠くの板を跳び蹴りで競い合い、一番高い(遠い)距離の板を割った選手が優勝となります。
バネと柔軟性、さらに技の正確さが最も要求される競技であり、またテコンドーの醍醐味である華麗な跳び蹴りを堪能することができます。
ウィリョク(パワーブレイキング)
指定された手技、足技で板、またはプラスチック製のパワーボードを割った合計枚数を競い合います。
技の力強さはもちろんですが、打点の正確性、距離感などが正否を大きく左右し、手技、そして足技と、総合的な威力を競い、武道の持つ『一撃』が確かめられる競技です。